現在、福岡県の不動産価格は上昇傾向です。

福岡県の地価が上昇傾向にある背景には、福岡市の不動産価格が大きく牽引しています。

過去から現在までの福岡市の不動産価格の経緯を始め、上昇している理由や今後の推移をあわせてご紹介します。

 

現在の福岡市の不動産価格は上昇傾向

商業地では平成25年以降上昇傾向

福岡市の商業地での地価公示の推移についてご紹介します。

福岡市の公式ホームページでは、昭和52年から令和4年までの地価公示における平均価格の推移が公開されています。

引用：福岡市の地価公示における住宅地平均価格推移

このデータでは、昭和52年〜平成4年までは上昇傾向です。

その後平成5年以降〜平成17年まで下落し、一度は上昇するも伸び悩みが続きます。

平成25年以降～令和4年まで再び上昇傾向が続き、現在では平均価格は1,178,600万円/㎡まで上昇しています。

福岡市の最も高い地価の平均価格は平成4年の2,483,200万円/㎡、最も低い地価の平均価格は昭和52年の249,700万円/㎡です。

現在の平均価格はバブル期の平成4年には及びませんが、過去26年で最も高くなっています。

 

住宅地では平成26年以降上昇傾向

次に、福岡市の住宅地での地価公示の推移についてご紹介します。

福岡市の公式ホームページでは、商業地と共に住宅地も昭和52年から令和4年までの地価公示における平均価格の推移が公開されています。

引用：福岡市の地価公示における住宅地平均価格推移

このデータでも、住宅地は昭和52年〜平成4年まで上昇傾向です。

その後同様に、バブル崩壊とともに平均価格は平成25年まで下落し続けました。

平成26年以降～令和4年まで再び上昇傾向が続いており、現在では平均価格は180,100万円/㎡まで上昇しています。

住宅地の最も高い地価の平均価格は平成4年の210,600万円/㎡、最も低い地価の平均価格は昭和52年の33,300万円/㎡です。

福岡市の住宅地の平均価格は過去28年で最も高くなっています。

商業地・住宅地ともに過去20年以上続く上昇傾向の理由は何なのでしょうか。

次項より上昇傾向の理由について紹介します。

 

上昇傾向の理由は3つ

福岡市では、ほぼ全域で地価が上昇しています。

特に福岡市の中でも中心地区である博多区や中央区などで激しく上昇傾向がみられ、中心部や駅から離れると、地価は落ち着いてくる傾向にあります。

福岡市の商業地・住宅地の地価が上昇を続ける理由は3つあります。

• 全国的に土地が買いやすくなった
• 天神の再開発
• 博多駅周辺の再開発

 

全国的に土地が買いやすくなった

平成20年代以降、地価の平均価格上昇の理由のひとつに、全国的に土地や住宅を買いやすくなったことが理由として考えられます。

地価の平均価格の推移は、全国でも同じ傾向が見られます。

ミニバブル期と呼ばれる平成20年前後、全国での地価の平均値は、福岡市より影響が出ていますが他は同じ傾向がみられます。

引用：平成時代における土地政策の変遷 と土地・不動産市場の変化

バブル崩壊後は下落傾向が続き、平成20年代〜最近まで上昇傾向です。

2013年4月以降、日本銀行が金融緩和を行い、金利が低下したことで住宅ローンの金利も下がっています。

金利は2008年では年3.0%前後だったのに対し、異次元緩和対策を行うことで金利は年1.0%前後にまで下がりました。

引用：【フラット３５】の金利推移 | ARUHI 住宅ローン | アルヒ株式会社

金利が低くなることで、同じ返済額でも土地や住宅が買いやすくなり、買い手の購買力が上がったことが原因のひとつとして考えられるでしょう。

 

天神の再開発

現在も福岡市の再開発が行われています。

福岡市の再開発の一つとして注力されているのは、天神の再開発です。

現在の天神では、2020年には天神ビブレや天神コアが、2021年8月にはイムズが閉店し、相次ぐ閉店ラッシュが続いており、集客力が懸念されています。

天神再開発は天神ビッグバンと呼ばれ、アジアの拠点都市としての役割・機能を高め、新たな空間と雇用を創出するプロジェクトとして進められています。

天神ビッグバンの再開発は2015年から開始されました。

対象地区は天神交差点から半径500m以内となっており、非常に限られたエリアが対象です。

公開されている情報では、2024年までに30棟のビルの建て替えを目標とし、建設投資効果が2,900億円、経済波及効果が年間で8,500億円と試算されています。

様々な企業が入った最大級オフィスビルとなる「天神ビジネスセンター」や世界でも最高峰のホテルである「ザ・リッツ・カールトン」の誘致がメインとなっています。

これにより雇用の増加や、それにともなう人口増加、観光客の増加が見込まれます。

引用：福岡市 『天神ビッグバン』着実に進行中！！

 

博多駅周辺の再開発

博多駅周辺でも、市営地下鉄七隈線の天神南駅から博多駅への延伸やビルの立替が予定され再開発が行われています。

博多駅周辺の再開発は「博多コネクティッド構想」と呼ばれています。

対象地区は博多駅から半径500ｍ以内となっており、こちらも限られた駅周辺の地区が対象です。

福岡市は2019年5月に「博多コネクティッドボーナス」と呼ばれる制度を創設し、民間企業による博多駅周辺での誘致を呼びかけています。

「博多コネクティッド構想」では、地下鉄延伸でアクセスが向上し企業を誘致することで、福岡市が国際ビジネス観光拠点となることが期待されています。

すでに「博多コネクティッド構想」第一弾として、「博多イーストテラス」が2022年8月に竣工されました。

引用：福岡市 博多コネクティッド

 

売却するならいつ？

住宅地・商業地ともに地価が上昇傾向にある福岡市ですが、不動産の売却をするならいつが適切でしょうか。

前項でご紹介した福岡市で行われている再開発「天神ビッグバン」や「博多コネクティッド構想」は現在進行中です。

・天神ビッグバン：2026年まで
・博多コネクティッド：2028年まで
・市営地下鉄七隈線の天神南〜博多間の延伸事業：2023年3月完了予定

商業地はさらなる開発が進み、今後も上昇傾向が続くことが考えられます。

また、こういった再開発から福岡市の人口が増加することが見込まれています。

そのため再開発のプロジェクトが完了する頃には、不動産需要は一層高まるでしょう。

 

福岡市の現在の不動産価格の相場ランキングは？

最後に、これから福岡市で不動産の購入や売却を検討されている方へ、福岡市が公開している住宅地と商業地の価格上昇中の地域をランキングでご紹介します。

住宅地の相場ランキング

1位　中央区大濠1丁目（価格の相場：870,000円/㎡・変動率5.5%）
2位　中央区今泉2丁目（価格の相場：646,000円/㎡・変動率8.6%）
3位　中央区薬院4丁目（価格の相場：603,000円/㎡・変動率7.7%）
4位　中央区赤坂2丁目（価格の相場：575,000円/㎡・変動率8.9%）
5位　中央区草香江2丁目（価格の相場：544,000円/㎡・変動率6.0%）
6位　早良区西新2丁目（価格の相場：530,000円/㎡・変動率5.0%）
7位　早良区 高取2丁目（価格の相場：492,000円/㎡・変動率3.8%）
8位　中央区 荒戸3丁目（価格の相場：488,000円/㎡・変動率6.6%）
9位　中央区六本松4丁目（価格の相場：461,000円/㎡・変動率7.7%）
10位 中央区大宮2丁目（価格の相場：459,000円/㎡・変動率12.5%）

商業地の相場ランキング

1位　中央区 天神1丁目（価格の相場：11,000,000円/㎡・変動率-）
2位　博多区博多駅前3丁目（価格の相場：7,950,000円/㎡・変動率0.8%）
3位　中央区天神2丁目（価格の相場：6,680,000円/㎡・変動率2.8%）
4位　博多区博多駅東1丁目（価格の相場：5,370,000円/㎡・変動率2.3%）
5位　博多区博多駅前2丁目（価格の相場：4,340,000円/㎡・変動率5.3%）
6位　中央区大名2丁目（価格の相場：3,930,000円/㎡・変動率5.1%）
7位　博多区博多駅前2丁目（価格の相場：2,650,000円/㎡・変動率10.0%）
8位　博多区 店屋町（価格の相場：2,470,000円/㎡・変動率-）
9位　中央区 舞鶴1丁目（価格の相場：2,460,000円/㎡・変動率7.4%）
10位 中央区西中州1号（価格の相場：2,320,000円/㎡・変動率0.9%）

引用：令和４年地価公示 福岡市価格順位一覧

住宅地では中央区・早良区の人気があり、商業地では博多区・中央区が人気です。

どこも博多駅からのアクセスが良く便利なため、物件の取引を検討されている方はぜひご参考ください！

 

まとめ

この記事では、福岡市における不動産価格の上昇の原因について、相場ランキングと共にご紹介しました。

特に福岡市では2021年の全国の商業地基準地価上昇率ランキングが話題になっています。

全国商業地の上位10地点のうち7地点が福岡市内という状況でした。

このデータでは、全国トップは福岡市博多区綱場町で、福岡市博多区冷泉町、福岡市中央区高砂2丁目と続き、それ以降も中央区が数多くランクインしています。

博多駅や天神の再開発に伴い、今、福岡市が熱くなっています！

福岡市で不動産の購入、売却をご検討中の方は、是非ご参考いただけましたら幸いです。